「彼方のアストラ」感想。SFという舞台で起きるドラマが詰まっている名作だった!

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はじめに

ぼくは、人並みより少しだけSFが好きな人種です。
SF大好きマン一歩手前くらい。

 

見るきっかけは、個人的に波長が好みの知人が面白かったというひとことから。
この連休に一気見して、なんとなく感想を書きたくなりました。

ずっと更新してなかったしね。で、書きます。

 

なお、この記事では作品をバチボコに褒めています。


 

SFにハマったあのときを思い出させる名作!

まず、見ての感想をひとこと。

 

おもしろかったーー!!٩( 'ω' )و

 

二転三転する展開と適度な伏線、人間関係の描写などが
しっかり練られまくっており、非常に良いテンポのまま
最後まで飽きることなくほぼ一気に見れてしまいました。

ストーリーについては書きませんがとても清々しい読後感。
しかしそれ以上にぼくは、この作品を見ていて
奇妙な感動を覚えてしまいました。

なんというか、この作品で感じる「感動」は
いつもと少しだけ違ったンです。

うまく言葉で表現できない、不思議な食感。

 

おそらく「懐かしい」という感情に一番近いのかもしれません。
もう何十年も会っていなかったけど、幼い頃に仲良しだった
友だちに会ったときのような気持ち。
あるいは、倉庫の奥底に眠っていた大好きだったおもちゃを
見つけたときのようなノスタルジー

 

見終わったあと、この感覚ってなんだろうと
考えるうち、ふと思いだしました。

ぼくが中学生だったときのある日(記憶では天気の良い放課後だった)の記憶。
入り浸っていた図書室の奥の壁際、何段もある白い本棚の最上段で見つけたSF小説
掃除もままならずに埃をかぶって、黄ばんでボロボロの
古文書みたいになっていた、あのSF小説を見つけたときのことを。

アニメ調でも文学風でもなく、禍々しい色使いの奇妙な表紙ばかり。
なんで手にとったのかわからない。なんで読もうと思ったのかわからない。
でも少年だったぼくはーーなにか心に響くものがあってーー手に取った。

世界SF全集、ハインライン、クラーク、ニーヴン、スミス…

当時は、SFがなんたるかもよくわかっていなかった。
(そしていまでもわからない)
冒険小説や探偵小説は読んだことはあったものの、
ジュブナイルの区分けなんて知らないし、
センス・オブ・ワンダーなんて言葉も
聞いたことさえなかった。
でも、これがSFなんだ!と感動したのを覚えている。

愚かでも賢しらでもなかったあのときの、ただただ夢中になっていたあの感覚。
「そこ」で起きている、未知の脅威に満ちた宇宙の物語に
ページをめくる作業さえ煩わしく思うほど熱中した。
いったい、ここからなにが起きるんだろう?

あの感覚。

正直なところ(悪い意味ではなく)ぼくにとって「彼方のアストラ」は
新しい気づきや未知の感情を与えてくれるものではありませんでした。

でもその代わり、まるきり忘れていた、あのときのワクワクを

(なにが起きるんだろう!?)

掘り起こさせてくれる素晴らしい作品だったのです。

誰にも理解されない特殊な感想なのかもしれない。
でもよかった。見てよかった。ただただ、単純に面白かった!

 

 

SFという舞台で起きる「ドラマ」が詰まっている

 

一通り見たあと、ざっくりググッてレビューや物議を見てビックリしました。
まあ、評価はそれぞれですよね。で、思うこと。

 

ぼくは、どこかの指摘にあったように「彼方のアストラ」は、
ゴリゴリの技術系SFという括りではなく、SFが舞台の少年漫画(アニメ)だと思っています。
ノリ的な部分だったり、SF考証などいくらでも言えるところはあるでしょう。

でもそれで良いでしょ?と。

 

じゃないと、あのテンポでストーリー展開なんかできやしない。

なんという作家が言ってたのか忘れましたが、こんな言葉を思い出しました。
「設定はわかった。さあ、物語を話してくれ」

 

設定云々はともかく、「彼方のアストラ」はSFです。
イーガンもSFだし、ドラえもんもSF(宇宙開拓史は最高だ)、
攻殻プラネテスと同じかそれ以上にアストラもSFだ。
だってこの作品には、SFという舞台で起きるドラマが詰まっているのだから。

 

もしかしたら、ぼくが少年時代を思い出した原因は、
この作品が持つドラマ性にあるのかもしれない、と思います。
良い意味で、最近の作品にはない(ように感じる)「細けえことはいいんだよ!」
というドラマに対するこだわりを感じたんです。


まっっったく関係のない立場ながら、この作品は「あの頃のぼく」のような
少年少女こそみるべきなんじゃないかな~と、ふと思いました。
じぶんに子どもがいたら、ぜひ一緒に見たいSFアニメベスト5に入れたい。

なんというか、「彼方のアストラ」は、ひとがSFを好きになる
きっかけを作れる作品なのではないかなーと思ってならない。

SF好き製造マシン、というか。


SF大好きマンのぼくとしては、こういうSF作品を皮切りに、
SF好きがもりもり増えて、Kindleなんかに過去のSF名作が
ドコドコ収録されたらナーなんて思ったりします。

 

あ、オチがつかないので以上!

 

Amazon Primeで全話見ることができますヨ!

www.amazon.co.jp

 

蛇足1

んなこんなで、SF熱がちょっと再燃しているぼくは、
いま小説を漁っています。

さて、そんな中年のぼくが子ども時代に心を熱くさせられた
おすすめ小説を一部ご紹介。懐かしすぎる!
知らないものがあったら読んでみては?おすすめです!

 

「宇宙のランデヴー」アーサー・C・クラーク 

宇宙のランデヴー〔改訳決定版〕

宇宙のランデヴー〔改訳決定版〕

 

 

「宇宙漂流」小松左京 

宇宙漂流 (角川文庫)

宇宙漂流 (角川文庫)

 

 

「宇宙船ビーグル号の冒険」 A・E・ヴァン・ヴォークト

 

 「宇宙の孤児」ロバート A.ハインライン

宇宙の孤児 (ハヤカワ文庫 SF 281)

宇宙の孤児 (ハヤカワ文庫 SF 281)

 

 

「宇宙~」ではじまるものに区切ってみたよ!( ´∀`)
スミスの「宇宙のスカイラーク」は入れるか悩んだ。

 

蛇足2

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こいつすきです。
iPad買ったのでSplit Viewで映像垂れ流しながらお絵かきするの楽しい。

 

そういえば、これを見てから作者が「スケット・ダンス」の方だと知りました。
言われてみれば、あー納得!あのノリはたしかにボッスンたちだ、と。

スケット・ダンスも名作だったなあ、と。

 

でわ!